戦略コンサルティングファームの統合・分離

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歴史的に戦略コンサルティング会社は統合・合併・分離を繰り返しています。現在”The Firm”として知られるマッキンゼーも古くは現在のA.T.カーニーと同じ会社でした。また現在MBBと呼ばれるマッキンゼー、ボストンコンサルティング、ベインアンドカンパニーと並ぶ名門コンサルティング会社であったブ—ズ・アレン・ハミルトンから、ブーズ・アンド・カンパニーが独立したというのも2008年のことであり、記憶に残っている方も多いかもしれません。

一方、近年戦略コンサルティングの統合・合併が増えてきています。2013年にデロイトがモニターを買収、PwCは2011年にPRTM、2014年にブーズ・アンド・カンパニーを買収、2014年にはEYもパルテノンの買収に乗り出し、2016年にアクセンチュアがカートサーモンを買収するなど、総合系の大規模ファームによる戦略コンサルティングファームの買収が相次いだ時期がありました。

しかし、大規模総合ファームによる、戦略コンサルティングファームの買収は多くの場合成功していないと言えるでしょう。(特に日本国内の状況は悲惨なものがあります)

デロイトによるモニター買収

モニター・グループはファイブフォース分析によって有名なマイケルポーターらにより設立された戦略コンサルティングファームでしたが、2013年にデロイトにより買収されます。買収と同時に日本法人は撤退となってしまい、コンサルタントはシンガポールなど海外へ異動を余儀なくされたり、多くのコンサルタントは競合ファームに移っていくなどしました。

2018年よりモニターデロイトとして、再度日本での活動を再開しましたが、すでにデロイトの戦略コンサルティング部門が大規模になっていることもあり、モニターデロイトのポジションは不明確になってしまっています。(公式にはモニターデロイトは戦略コンサルティングの中でも実行支援的なことをやるということになっていますが、それってデロイトの戦略部隊と大差がなくカニバっているのでは?という気もします)

PwCによるPRTM、ブーズ・アンド・カンパニーの買収

日本における事例としては、これは結構な失敗事例と言われています。PwCは2011年にPRTMを買収しましたが、2015年頃まではPwCとPRTMは別オフィスで独立してコンサルティングサービスをやっており特に大きな問題は発生していませんでした。しかし、2014年にPwCがブーズ・アンド・カンパニーを買収し、2016年にStrategy&が発足してから、状況は様変わりします。もともとカラーに大きな違いがあった3社が同じオフィスに集まり、旧ブーズのメンバーが主導権を握ったことで、今ではPRTM、PwCの戦略チームの面影は全くないと言われています。(ほぼ全員が退社したという噂)。Strategy&はPwCとは一線を画し、旧ブーズのカラーで戦略コンサルティングサービスを継続している模様です。PwCとの統合によりネームバリューだけがなくなってしまった感じですね。

アクセンチュアによるカートサーモンの買収

この件も失敗事例と見られています。カートサーモンは日本ではあまり馴染みがありませんが、小売・消費財の領域においてエッジが立っており、伝統的に尊敬されていた戦略コンサルティングファームでした。日本においてもカートサーモンの卒業生が消費財の事業会社のマネジメントポジションに就任するという例は多く見られていました。しかしながら、アクセンチュアが買収したことで、カートサーモンの要職にあったパートナーはじめ多数の社員が退職してしまいました。旧カートサーモンは現在アクセンチュアストラテジーの消費財部門となっていますが、事実上カートサーモンは解散したような形になってしまっています。

中堅戦略コンサルティング会社の統合や、BCG、マッキンゼーのようなトップファームの下流プロジェクトへの進出により、戦略コンサルティングの手がけるプロジェクト内容も大きく変わってきています。ファームによっては「戦略がやりたかったのにできない」、「合併により優秀な人はいなくなってしまっていた」ということにもなり兼ねませんので、戦略コンサルティング会社への転職時には専門のエージェントや社員からよく話を聞きながら選考を進めていくのが良いと思います。

-各戦略コンサルティング会社の特徴

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