カーライルがおやつカンパニー(ベビースター)売却を検討中

カーライルが保有するおやつカンパニーの売却を検討中

昨年より報道されている通り、米系大手プライベート・エクイティ・ファンドであるカーライルが、2014年に約200億円を投じて経営権を取得したおやつカンパニーの売却を検討中です。おやつカンパニーは国民的スナック菓子であるベビースターラーメンやブタメンの製造メーカーです。

カーライルが保有するおやつカンパニー株式の具体的な株式比率は不明も、ボードメンバーの構成から少なくとも50.1%以上の支配権を持っていると見られ、70%程度との見方があります。

2020年3月にブルームバーグ等の一斉報道により、カーライルがおやつカンパニーの売却を検討していることが判明しました。カーライルとしては2020年内の売却完了を目指していたものと推察されますが、新型コロナ等の影響により売却手続きは遅れていると見られています

 

カーライルによるおやつカンパニーの成長戦略の実績

カーライルによる買収前の2013年7月期に売上高182億円であったおやつカンパニーは、2020年7月期に売上高213億円まで成長しています。カーライルがおやつカンパニーを保有した期間は約7年と期間が長く、売却額は350億円前後と言われていることから、今回の売却はPEファンド目線での投資リターンからみると今ひとつかもしれません。(スキームにもよりますが)

しかしながら、事業面ではその間に食品業界で難しいと言われている海外展開の強化に向けた台湾工場の設立や、創業家の松田好旦社長からプロ経営者として手島文雄社長を招聘し製品開発や経営管理を強化するなどカーライルが経営参画したことによる事業面での一定の成果があったのではないかと考えられます。

少子化の影響や健康意識の高まりにより、国内スナック菓子市場は低迷することがほぼ確実であるなか、台湾工場の設立による海外強化の足がかりの構築や、製品開発プロセスの強化によりスナック菓子領域外を強化してきた実績はおやつカンパニーの企業価値向上に価値があったと考えられます。

 

おやつカンパニーの売却先候補

カーライルの保有するおやつカンパニーの売却先候補としては、日本国内の食品・菓子大手である日清食品、亀田製菓、カルビーや、工場が存在する台湾の食品メーカー、台湾からの輸出先である中国の食品メーカーなどが候補に上がっているものと見られます。

新型コロナの影響により、プロセスが1次入札以降のプロセスが大きく遅れていることを考えると、本命となっているのは日系食品メーカーではなく台湾・中国の食品メーカーの可能性が高いのかもしれません。

 

読まれている記事

-M&Aの動向

© 2024 戦略コンサルタントという選択 Powered by AFFINGER5