日立オートモーティブシステムズと、ホンダ系列自動車部品メーカー3社(ケーヒン、ショーワ、日信工業)の合併

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日立製作所の自動車部品子会社、日立オートモーティブシステムズと、ホンダ系列自動車部品メーカーであるケーヒン、ショーワ、日信工業の4社が合併を検討しているという衝撃的なニュースが入ってきました。

グループ再編の渦中にある日立製作所では、グループ内で利益性が低い日立オートモーティブシステムズを問題視していると言われてきました。

一方、ホンダ系の自動車部品3社は、自動運転により不要となる部品の売上が1-3割を占めており、自動運転化がリスクとなりうると言われてきました。更に自動車業界においては、日産自動車を中心に系列解体を行っており、日産自動車の系列であったカルソニックカンセイや鬼怒川ゴム工業がPEファンドに売却されたり、直近2019年9月にはホンダの系列であった浅間技研工業が住友商事に売却されるなど業界再編が進んでいます。

そんななか、日立オートモーティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業の統合は自然な流れだったと言えるかもしれません。

日立製作所のグループ再編

本ブログ内でも取り扱っておりますが、日立製作所は2018年に700のグループ会社を半数にすると公言しており、グループ会社の整理を進めています。より収益性の高い事業を残し、収益性の低い事業は売却・撤退を徹底して進めています。

本ブログの以下の記事もご参照下さい↓

日立製作所は売上約1兆円、営業利益400億円弱の日立オートモーティブシステムズの利益性を「低い」と捉え、これまでも売却・撤退の道を探ってきていたと言われています。そんななか、系列解体を含めて検討してきたホンダと利害関係が一致したということかと思います。

部品メーカーにとっての自動運転化リスク

ホンダ系列部品メーカー3社(ショーワ、ケーヒン、日信工業)の売上を自動運転化リスクという観点から見てみると、自動運転により消滅すると言われている部品の売上比率が、ケーヒン約30%、ショーワ約10%、日信工業約5%などとなっています。

これらの企業が現状を打破するためには、規模拡大により効率化の上、新技術・プロジェクトの開発を進めなければならないという相当の危機感があるものと思われます。2019年7月には、ブレーキの名門曙ブレーキ工業が事業再生ADRを申請するとともに、再生系ファンド ジャパン・インダストリアル・ソリューションの支援を受けながら債権を目指しています。

自動運転化に伴う自動車部品メーカーの再編・淘汰の動きから目が話せません。

完成車メーカーの系列解体

これまで完成車・自動運転を見据えた先端技術への集中投資と、系列取引を超えた部品メーカーの成長を掛け声に、日産を中心として系列部品メーカーの解体が進んできました。2016年には鬼怒川ゴム、オートモーティブエナジーサプライ、2017年は最重要系列部品会社とも言われていたカルソニックカンセイの株式を売却し、日産自動車は部品製造からはほぼ完全に撤退しました。

直近では2019年9月にホンダがブレーキパッドメーカー浅間技研工業の株式を住友商事に売却しています。今回の日立オートモーティブシステムズ、ホンダ系3社(ケーヒン、ショーワ、日信工業)の統合により、日産、ホンダの系列解体はほぼ目処が立ち、今後はトヨタがどう動くかということに市場の注目は向かいそうです。現状はトヨタは系列解体を行わない方針を示していますが...

今回は市場の予測とは反して、日立製作所の子会社売却先はPEファンドではありませんでした。PEファンド業界はなかなか全貌が掴みにく業界ですので、国内の主要なPEファンド情報を以下の記事でまとめております。

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