ATカーニー

戦略コンサルティングファーム各社の特徴シリーズです。

今回は戦略コンサルティング業界において、MBB(マッキンゼー、ボストンコンサルティング、ベイン)に次ぐポジションを確立しており、グローバルでも非常に評価の高いATカーニーです。

ATカーニーの選考プロセスは、マッキンゼーとよく似ています。ケース面接に加えてこれまでの経験を掘り下げるビヘイビアー面接を行うことで、リーダーシップやコミュニケーション能力の多寡を確認しています。

ATカーニーはとりわけ日本においては非常に評価の高いコンサルティングファームであるため、これまで日本オフィスは比較的独自路線を歩んできました。しかし、Booz&Company(現Strategy&)出身の岸田雅裕氏がATカーニーの日本代表に就任したことで、Up or Out(アップオアアウト)の厳格化、ATカーニー日本オフィスのグローバル化などが進んでいます。

ATカーニーの現役/歴代パートナーのキャリアは以下の記事でもまとめておりますので、コンサルティング後のキャリアにどのようなものがあるのだろうと疑問をお持ちの方はお読みいただければと思います。
>>>A.T.カーニー パートナーの経歴

ATカーニーの入社難易度
→最難関レベル★★★

  • ATカーニーはボストンコンサルティングやマッキンゼーと比べ採用人数も限られており、面接を突破しオファーを獲得する難易度は戦略コンサルティング業界においても最難関水準です
  • ATカーニーのケース面接自体はオーソドックスで、フェルミ推定系とケース問題系の両方が出題されます。ケース問題系もビジネスケース系、社会問題解決系と満遍なく出題されますので、広範な対策が必要です
  • ATカーニーの面接においては、マッキンゼー同様、ケース面接に加えビヘイビア面接が導入されています。ここではリーダーシップ、コミュニケーション能力、精神的タフさを確認するため、過去の経験に関する質問を徹底的に受けます(リーダーシップを発揮した経験は?クライアントを動かした経験は?チーム内での責任と役割は?など)
  • これまでATカーニーの選考プロセスにおいては、英語力はあまり重視されていませんでした。近年はVersantという英語試験を導入し、英語での会話・ヒアリング力を確認しています

ATカーニーの雰囲気、プロジェクトの内容
→日本的であり、ビジネスパーソンとしての常識が重視

  • 歴史的にはマッキンゼーと同じ会社で、カーニー&マッキンゼーというファームでした。以後、戦略系に注力してきたマッキンゼーに対し、ATカーニーはオペレーションを軸に拡大してきたコンサルティングファームです
  • ATカーニーは歴史的にコスト削減プロジェクトが非常に強いと言われています。製造業の原価管理や、業務委託費を含めた購買業務マネジメントなど、「コストカットのプロ」が多数存在します。一昔前だと、地方銀行のコスト削減を徹底して行うようなチームも存在していました。
  • オペレーション系のプロジェクトが得意なこともあり、新卒のコンサルタントに加えて、社会人経験のある転職者の割合が他ファームと比べて若干高い傾向にあります。
  • Up or Out(アップオアアウト)は最近厳格化しています。2-3年前までは、Up or Stayが会社の基本原則でした。しかしBooz出身の岸田雅裕氏が日本代表となり、Up or Outが全階層に適用されるようになってきています。
  • Up or Outとは別に入社後一定期間でのキックアウトが存在します。中途入社の場合、入社後半年で「コンサルタントとしてやっていける力があるか」を確認し、見込みが小さいコンサルタントはクビになります。キックアウトの基準は「クライアントに請求する実力があるか」というのが基本ですが、かなりシビアです
  • ATカーニーは国内のドメスティック系ファームでしたが、岸田氏の参画後プロジェクトのグローバル化も進んでいます。英語が苦手なシニアメンバーの退社が増えてきています

ATカーニーの給料・制度
→戦略コンサルティング会社として標準的

  • 新卒はビジネスアナリストとして650万円程度からスタートですが、数年でシニアビジネスアナリストとなり、800-1000万へアップします。アソシエイトに昇格すると1,300-1,500万円となり、マネージャーに昇格すると年収2,000万円を超えてきます。
  • 米国ではマッキンゼーやボストンコンサルティングを押えて、ここ数年全米で給料の最も高い会社として知られています。 →全米給料ランキング
  • マッキンゼー、ベイン、Strategy&などポジションと給料がほぼ一定のファームも多い中、ATカーニーではプロモーションがなくても年100万円程度の給与アップがあるケースも多く、人によってばらつきが大きくなっています
  • MBA留学制度も完備されており、新卒はしっかりパフォームしていれば社費でMBA留学が可能です

ATカーニーの出身者

  • 池上真之(株式会社エブリスタ 元代表取締役社長)
  • 楠雄治(楽天証券株式会社代表取締役社長)
  • 島田隆(元日本メドトロニック株式会社代表取締役社長)
  • 高家正行(元ミスミグループ株式会社代表取締役社長)
  • 松本恭攝(ラクスル代表取締役社長)

※他にも多数いますが別途追記予定

A.T.カーニーの現役・過去パートナーについては、以下のページで学歴や経歴などをまとめています。
>>>A.T.カーニー パートナーの経歴

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