戦略コンサルへの転職は「リスク」なのか?

戦略コンサルへの転職を検討する上で、尻込みしてしまうパターンは2例あると思います。

1つは「面接に落ちることへの恐怖」です。戦略コンサルの採用プロセスにおいてはケース面接対策もありますし、「戦略コンサル」を名乗れるファームは5-6社ですので、全て戦略コンサルファームに落ちてしまったときに、「戦略コンサルへの道が閉ざされてしまう」という恐怖もあるかもしれません。

もう1つは、「戦略コンサルへの転職が不幸な人生の呼び水になるのではないかという恐怖」です。

前者の戦略コンサルの「面接に落ちることへの恐怖」については、このサイトやその他の手段を使って、ケース面接対策を繰り返すことによって対策を進めて頂ければと思います。

この記事では具体例も出しながら、後者の「戦略コンサルへの転職=不幸な人生を招くリスク」に関して述べていきたいと思います。

リスクを具体的に言うと?

「リスク」の定義は人によっていろいろとあると思いますが、ここでは戦略コンサルに転職した際に想起されるリスクを以下のように定義したいと思います。

・戦略コンサルへの転職後、厳しさに耐えられずメンタルを壊す(普通はまずない)
・アップ・オア・アウトによりクビとなり(退職勧告を受け)、嫌々やらなければいけない仕事に就かざるを得なくなる、もしくは戦略コンサルへの転職前と比べて不本意に給料が下がる

この後、これらの「リスク」について、詳細に考えていきたいと思います。

なお、戦略コンサルティング業界の掟であるアップオアアウトについては、以下の記事でまとめていますので、ご存じない方は御覧ください↓

戦略コンサルに転職後、リスクが顕在化し不幸になる人はいるか?

戦略コンサルの人事ルールであるUp or Out(アップ・オア・アウト)という文脈に関していうと、たとえアウトになったとしても戦略コンサルへの転職後に不幸になった人は、私の見聞きした範囲では、ほぼゼロだと思います。ちなみに筆者が知っているUp or Out(アップ・オア・アウト)の餌食となったケースは50程度です。

一方で、仕方がないことなのですが、体調・メンタル面で潰れていってしまう人というのは僅かですが一定数います。すぐに立ち直れるダメージであれば良いですが、長期的・慢性的に悪影響が残ってしまうというケースもごく稀にあるようです。これは戦略コンサルへの転職リスクが顕在化し、転職が不幸な形で終わってしまう唯一のパターンではないかと思います。

体調・メンタル面については人によってもタフさが大きく異なりますので、転職前に「自分は本当に激務とプレッシャーに潰されないか」という点だけは自問自答したほうが良いと思います。

とは言っても、体調・メンタルを壊すみたいな人はそうそうはいませんし、大体の場合は体調・メンタルを崩す前にアップ・オア・アウトの餌食になるぐらいが関の山ですので、よほどのことがない限りは大丈夫だと思います。

事例を示して下さいという方へ

仮にUp or Outの結果、クビになったとしても、その後のキャリアはいくつかの典型的パターンのどれかに落ち着く場合が多いです。

はっきり言って、戦略コンサルティング業界の門をたたき1年半-2年以上頑張れたのであれば、「将来の職探しにおいてはリスクはほぼゼロ」と言えると思います。戦略コンサルへの転職は「ローリスク、ハイリターン」なものだと思います。

事例1

戦略コンサルA社をアップ・オア・アウトでクビとなり、競合戦略コンサルB社へ転職

これはまぁまぁ聞くパターンですね。ベインをクビになってBCGに移る、Strategy&をクビになってマッキンゼーに入る、みたいなケースも普通にありますので、あまりファームの序列も関係なさそうです。
(ただ、2社連続でクビになった場合はどうなるのだろう...という気はしますが)

なお、戦略ファームからレベルを落として総合ファームに転職する場合は、ポジションが平均1-2ランク上がっているケースが多いと思います。マッキンゼーのアソシエイトがデロイトやアクセンチュアのシニアマネージャーとして移るなどのケースがよく見られますね。

事例2

戦略コンサルをクビになり、Amazon、グーグル、楽天、エムスリーなどの所謂「ネットサービス業界」へ転職

これは近年非常に増えてきています。戦略コンサルで退職勧告を受けて(クビになり)、エージェントから紹介を受けるというのが多いパターンだと思います。

これらの転身先の特徴は、戦略コンサル在籍時の給料が1,000-1,500万円程度であれば、給与水準を維持しやすいというのが特徴です。

給与面では以下のような関係が成り立つ方が多いでしょうから、給与面からは全く不幸ではないですよね

転職前<戦略コンサル=ネットサービス企業

事例3

戦略コンサルをクビになり、総合商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠・住友商事など)に転職

三井物産がポストコンサルをジャンジャン採用するようになっており、このパターンも散見するようになってきていますね。

総合商社に転職していく人は、経営企画室/M&A推進室や投資推進ポジションの即戦力として採用されるケースが多く、戦略コンサル時代とと比べてライフワークバランスも大幅に改善し幸せそうな人が多いですね。(戦略コンサルに2-3年いた人は、たとえクビになった人でも総合商社に10年いる社員よりもスキルが高いケースが大半のため、重宝されるようです)

事例4

戦略コンサルをクビになり、ベンチャーの役員候補として入社

国内のベンチャー企業が増えていることもあり、これもかなり増えています。自分が興味があるベンチャーでほぼゼロから事業や仕組みを立ち上げていくということに情熱を感じられる人も多いです。

戦略コンサルと比べて給料は下がってしまうケースが大半ですが、1,000万/年程度は出るケースも多いですし、ストックオプションを付与される場合もあります。戦略コンサルの前が総合商社や広告代理店でない限りは、戦略コンサル転職以前よりは給料も上がっていることが多いのではないかと思われます。

事例5

戦略コンサルをクビになり、(仮に給料を大幅に下げても)自分のやりたい業界の大企業に転職

この例は正直中途で戦略コンサルに入った人の中では少ないですが、新卒採用で戦略コンサルになった人に見られるパターンです。

具体的な企業名を上げると、丸亀製麺のトリドールや、ナイキ・アシックス・アディダスのようなアパレルブランド、ウォルト・ディスニーや資生堂などの消費財メーカーなどへの転職としてたまに聞きますね。また、製薬プロジェクトに多くアサインされていた方などは、外資・内資の製薬メーカーで専門性を活かすということも多いですね。

自分のやりたい業界で働けているという意味では、全く不幸ではないですよね。

その他

その他の例としては、国際機関に移る、アカデミックな道に進む、結婚するなどいろいろありますが、「皆少なくとも不幸ではない」というのは共通しているところかと思います。

そして勿論起業する方もいますね。

アップ・オア・アウトでクビになってPEファンドやベンチャーキャピタルのようなキャリアはあまり聞いたことがないのですが、おそらく中にはいるのだろうとは思います。

以上のように、転職先という意味では、仮にUp or Out(アップオアアウト)で戦略ファームをクビになったとしても大して困らなくなってきているというのが現状ですが、1点気をつけないといけない点があります。

アップ・オア・アウトでクビになった方で、他ファームへの移籍を選択する場合、次のファームで早期にアウトになると転職活動が非常に厳しくなる可能性があることです。そもそも1度でもアップ・オア・アウトの対象になってしまう方は、「そもそも戦略コンサルタントとしての仕事を心から好きなわけではない」ケースが多いため、仮に次のファームでうまくパフォームできるようになったとしても、一生やり続けられるか?という問題が浮上してくるということにも注意する必要がありますね。

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