ローランド・ベルガー ケース面接1:ケンタッキーの成長戦略

ローランド・ベルガーにおけるケンタッキーに関するケースの出題です。

ローランド・ベルガーの面接においては、面接官ごとにフェルミ系、ビジネスケース系、社会問題解決系とタイプの違うケース面接になるようなので、まんべんなく対策が必要です。

ケース問題

近年、ケンタッキーの売上が低迷しているが、その理由と打ち手を考えてください。

出題実績

ローランド・ベルガーの面接での出題です。

回答例

モデル化

売上は客数×単価で算出されます。客数はもう少し分解して以下のようなモデルで検討したいと思います。

売上=アクセス可能人口×平均外食・中食回数×ケンタッキーの選択率×単価

ボトルネックの特定

平均外食・中食回数をケンタッキー1企業の打ち手により激変させることは難しそうですので、ここではアクセス可能人口、ケンタッキーの選択率、単価を考えます。

アクセス可能人口ですが、ケンタッキーは駅前店舗の他に、路面店が多い印象を持っています。私の経験上ですが、駅前店舗は週末など常時人が10人程度並んでいますが、路面店はせいぜい2-3人しか並んでいません。車の保有率が下がり、カーシェアへの移行や、車に乗らない層が増える中、特に路面店においてアクセス可能人口が減っている可能性があります。

ケンタッキーの選択率ですが、まずは高齢者社会が進行していることや、健康志向によりファミリー層のファストフード需要が減っていることが考えられます。一方若者世代においては中食形態の揚げ物需要はむしろ増えていそうですが、その原動力になっているのはコンビニです。セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート各社がホットスナックとしてフライドチキンを展開しており、価格面、アクセス面でケンタッキーの競合となっています。

さらに趣向が多様化する中、ファストフードも多様化しており、既存客のリピート率が下がっているということもありそうです。週1回ケンタッキーを食べていた層が、メキシカンやサブウェイなど近年店舗数を伸ばしているファストフード店も利用するようになり、ケンタッキーの頻度が月1回になっているようなことが考えられます。

最後に単価ですが、ケンタッキーの単価はコンビニのフライドチキンと比べて高くなっており、値下げしているということも聞かないため、単価の下落が売上の減少につながっているということはなさそうです。しかし、これ以上製品単価を上げることは難しいものの、顧客単価を上げる余地はあるかもしれません。この点は、打ち手で述べたいと思います。

打ち手

アクセス可能人口の増加ですが、大きく2つの打ち手が考えられます。一つは外食産業の王道ですが店舗のリロケーションです。不採算店舗を閉店し、時間別のトラフィックを分析した上で、よりターゲット層の来客が見込める立地への移転を強化すべきと考えられます。もう1つはデリバリーの実施です。これまでアクセスの難しかった顧客に新たにリーチするのです。デリバリーの実施は固定費がかさんでしまいますので、ウーバーの活用や、店舗間、場合によっては他企業との提携により、固定費の増加を最小限に抑える工夫が必要でしょう。

ケンタッキーの選択率の向上ですが、主に中国産の鶏肉を使っている競合に対して、ケンタッキーは国産の鶏肉を使っていることを売りにしています。この点は意外と認知されていないと思いますので、更に強調することで、食品の安全に敏感な層を取り込むべきと思います。

また単価については、上述の通りフライドチキンの単価を上げることは難しいと思います。しかし顧客単価には改善の余地があると思います。例えばキャンペーンとしてサラダを付けたり、セット割の導入により、ケンタッキー単品としての単価は維持しつつ高額購入者の割合を増やすのです。

またケンタッキーはテイクアウトをしている割合が多く、ケンタッキーでチキンを買った後、コンビニでドリンクとサラダを買って家で食べるという人が多いように思います。これは、ケンタッキーの店舗に「場」としての魅力が小さいからだと想定されます。スターバックスのように、居心地の良い店内設計をすることで、これまでコンビニで購入していたサラダやドリンクをケンタッキー内で購入するようになり、顧客単価が上昇すると考えられます。

ローランド・ベルガーの特徴については、年収やファームのカラーなどを以下の記事でまとめておりますので、ご覧ください。
>>>ローランド・ベルガー

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