戦略コンサル経験者が狙えるPEファンドの独自ランキング

戦略コンサルティング会社で5年程度働き、ケース/プロジェクトのマネージャーを経験すると、プライベート・エクイティ・ファンド(所謂PEファンド、バイアウトファンド)への転身が視野に入ってきます。新卒の場合は3年ぐらいで戦略コンサルティング会社を卒業し、PEファンドのポテンシャル採用を目指すというキャリアもありえます。

そんな中、世の中にはどんなファンドが存在し、どのような序列であるかというのはなかなかわかりにくい部分があります。そこで日本において存在感のあるPEファンドを外資、内資独立系、内資金融機関系に分類の上、主観的にはなりますが、日本における投資実績やネームバリューを基に5段階でランキング化を行いました。また、各PEファンドの基本的な情報や投資実績なども簡単にまとめていますので、これからPEファンド業界を目指される方は参考にして頂ければと思います。

外資PEファンド

株式会社KKRジャパン★★★★★

1976年にコールバーグ、クラビス、ロバーツの3人が設立したプライベート・エクイティ・ファンド。ポートフォリオの傘下にある企業の売上ベースでは世界No.1となっている。日本においても近年存在感が大きく、近年ではパナソニックヘルスケア、カルソニックカンセイ、日立工機、日立国際電気など大規模M&Aで存在感を示している。

ベイン・キャピタル・アジア・エルエルシー★★★★★

1984年に設立された世界最大規模のプライベート・エクイティ・ファンド。日本では2005年にベイン・キャピタル・アジア・エルエルシーを設立し、すかいらーく、ベルシステム24など多数の大手企業への投資実績を持つ。近年では、東芝メモリやADKなどを傘下に収めるなど、日本での存在感も強まっている。日本代表は三菱商事、リップルウッドなどを経た杉本勇次氏。

ブラックストーン★★★★★

KKRと並び、世界最大のプライベート・エクイティ・ファンド。日本においてはこれまで不動産投資のみを手掛けていたが、2019年、今後3-5年で最大5000億円の企業投資を行うことを発表した。この動きの第1弾として、2019年3月にあゆみ製薬を買収するなど、着々と動きを進めている。

シーヴィーシー・アジア・パシフィック・ジャパン株式会社★★★★

グローバルに拠点をもつ、世界最大級のPEファンド。主な投資対象は、小売業・製造業・サービス業であり、タワーレコード、アルテリア・ネットワークス、昭和薬品化工、新和、ミニット・アジア・パシフィック、すかいらーく、りらくなどに投資実績を持つ。日本代表の赤池敦氏はマッキンゼー・アンド・カンパニー、アドバンテッジパートナーズなどを経て、2015年よりCVCアジア・パシフィック・ジャパンに参画。CVCアジア・パシフィックには2017年に三井住友銀行出身の車谷暢昭氏、LIXIL出身の藤森義明氏などが最高顧問として参画するなど、超大物の相次ぐ顧問就任が話題となった。

カーライル・ジャパン・エルエルシー★★★★

ブラックストーン、KKR、ベインキャピタルなどと並び、世界最大級のプライベート・エクイティ・ファンドの1つ。「ローカルビジネスはローカルメンバーが見るべき」という考え方が根強く、日本でも日本に特化したファンドを組成しているのが特徴的。累計投資件数も30件に近づいており、アドバンテッジパートナーズやユニゾン・キャピタルなどの国内大手に見劣りしない。2019年には野村キャピタル・パートナーズと共同でオリオンビールを買収するなど、日本国内での存在感は増している。売上拡大による投資先の成長を重視しており、各メンバーに専門業界をもたせることを強く推進しているのもカーライル日本法人の特徴。

MBKパートナーズ株式会社★★★★
カーライル出身者により2005年に設立された韓国系ファンド。日本など東アジアにおけるプライベート・エクイティ市場の成長と発展を見据えて設立された。これまでの投資実績としては、田崎真珠、弥生、黒田電気と少なかったが、2019年ゴディバ日本事業の入札を制したことで一気に注目が高まっている。

ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア株式会社★★★★

香港に本社を置くアジア最大級のプライベート・エクイティ・ファンド。日本拠点は1997年に開設され、企業価値500億円程度の中堅企業を中心に投資業務を行っている。これまでの投資先としては、ジョイフル本田、武州製薬、ペイロールなどが有名。2018年には経営危機に瀕したパイオニアに600億円の支援を行ったことで注目を集めた。2019年にはゴディバ日本事業の入札参加を報道されており、日本国内での投資を強化していると見られる。

株式会社ロングリーチグループ★★★

香港・上海・東京に拠点を持ち、アジア圏の企業に対して投資を行うプライベート・エクイティ・ファンド。これまでの投資実績としては、ウェンディーズ、ファーストキッチン、日立ビアメカニクスなどが有名。直近では富士通コンポーネントや珈琲館などを傘下に入れている。

CLSAキャピタルパートナーズジャパン株式会社★★

1986年にクレディアグリコール銀行グループのプライベート・エクイティ投資会社として設立され、2000年代後半から日本企業の景気回復による投資需要を狙って日本ファンドを設立。日本においては、中小企業への投資が中心だが、近年投資姿勢は慎重と見られる。これまでの投資実績としては、エバーライフ、バロックジャパンリミテッドなど。

内資独立系PEファンド

株式会社アドバンテッジパートナーズ★★★★

ベイン・アンド・カンパニー出身の笹沼泰助、リチャード・フォソロムが1992年に設立した独立系PEファンド。1997年に日本で初めてバイアウト専用のファンドへのサービスを開始するなど、プライベート・エクイティ業界における草分け的存在。投資実績は、ユナイテッド・シネマ、メガネスーパー、ウィルコム、東京スター銀行、ポッカコーポレーション、ダイエー、カネボウ、ICI石井スポーツ、ひらまつなどが良く知られている。2017年に中小企業への投資用途に600億円の第五号ファンドを組成しており、2020年にも新規ファンドを組成する予定であり、新規投資姿勢は積極的。投資実績は累計37社に渡っており、件数では国内最大。

ユニゾン・キャピタル株式会社★★★★

1998年にゴールドマン・サックス出身の江原伸好らの出資により創業。アドバンテッジパートナーズ、MBKパートナーズに並び、国内に置けるPEファンドのパイオニア的存在。佐山展夫氏はじめ、PEファンド業界における著名人も輩出。日韓連携をテーマとしており、シニアメンバーに韓国人も多数。これまでの投資実績としては、オリエント信販株式会社、マインマート、東ハト、コスモスライフ、クラシエホールディングス、あきんどスシロー、コバレントマテリアル、UCOM、ミニット・アジア・グループ、旭テックなどが知られている。

インテグラル株式会社★★★★

ユニゾン・キャピタル出身の佐山展夫氏らが2007年に立ち上げ。直近でも新規ファンドを組成するなど、アクティブなファンドの1社。投資業界や投資規模・比率は柔軟に考え、長期的視野での企業価値向上を目指している。これまでの支援実績としてはヨウジヤマモト、シカタ、テー・ワイ・オー、アパマンショップHD、スカイマーク、アデランスなどが知られている。

エンデバー・ユナイテッド株式会社★★★

フェニックス・キャピタルとしてPEファンド業務を開始し、2016年よりPE投資業務をエンデバー・ユナイテッドに移管した。機関投資家から集めた資金を元本として、おもに国内企業の事業承継案件に注力している。これまで40件程度の実績を有し、投資件数では国内最大級のファンド。

日本産業パートナーズ★★★

みずほ銀行出身の馬上英実氏が「日本にカーブアウトを根づかせたい」という思いから立ち上げたPEファンドであり、「戦略的カーブアウト」を中心とする事業再編に注力。主な投資実績は、オプトレックス、KHネオケム(協和発酵キリンからカーブアウト)、すかいらーく、VAIO、ビッグローブ、ナルミヤ・インターナショナル、日立国際電気など。マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナー、ベイン・アンド・カンパニーの日本代表、ベイン・キャピタル・ジャパン会長などを歴任する堀新太郎氏も取締役として名を連ねる。日立国際電気への投資などを行っているが、VAIOやビッグローブに次ぐ案件が出ておらず、近年投資には慎重な姿勢と見られる。

ポラリス・キャピタル・グループ株式会社★★★

三菱銀行出身の高橋修一氏、日本興業銀行出身の木村雄治氏が2004年に設立した国内中堅・中小企業向けの投資ファンド。国内ファンドで近年最も勢いのあるプライベート・エクイティ・ファンドとも言える存在。2017年には4号ファンドとして750億円を調達しており、投資意欲も継続して強い。近年の投資先としては、富士通の携帯電話事業、ベイク、ノバレーゼ、エルビーなどが知られている。

J-STAR株式会社★

ジャフコ出身の原禄郎氏らにより2006年に設立。100億円以下の企業を中心に投資を行っている。外食サービス企業向けの出資が多いが、2019年にはコーティングメーカーである中居工業を買収するなど、幅広い中小企業を対象に投資中。2017年に3号ファンドとして325億円を調達しており、投資意欲は非常に強い。

内資金融機関系PEファンド

アント・キャピタル・パートナーズ株式会社★★★

2000年に日興プリンシパル・インベストメンツと英アント・ファクトリー・ホールディングスの合併により誕生。300億円以下の中小型案件を主な投資先とし、小売・外食などへのPE投資を中心とする。アント・キャピタル・パートナーズは投資先のマネジメントスタイルを「気骨のハンズオン支援」と標榜しており、投資後も投資先企業に常駐し、事業運営に深く関与している。投資実績は、麦の穂、本間ゴルフ、ヴァージン・シネマズ・ジャパン(現TOHOシネマズ)などがよく知られている。代表取締役社長である飯沼良介氏は慶應義塾大学卒業後、三菱商事を経てアント・キャピタル・パートナーズに参画。2013年より現職。

株式会社丸の内キャピタル★★

三菱系の3社(三菱商事、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ証券)が出資し、2008年に設立した投資ファンド。過去の実績として、タカラトミー、成城石井などが知られている。2019年のゴディバ日本法人の入札では最有力候補とも言われるなど、案件は少ないものの投資姿勢は積極的と見られる。

ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ株式会社★★

日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行、東京三菱銀行、三井住友銀行、三菱商事の共同出資により、2010年に組成した再生ファンド。重厚長大産業への再生投資に注力しており、これまでの実績としては日本板硝子、ユニチカ、トクヤマ、アルバック、SUMCOなどが有名。2019年には事業再生ADRを申請した曙ブレーキを支援するなど、注目が高まっている。

東京海上キャピタル株式会社★

1991年にそれまで東京海上本体で行っていた投資業務を独立させた。バーニーズジャパン、武州製薬、昭和薬品化工などが知られている。

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