Strategy& ケース面接2:タクシーの市場規模

更新日:

Strategy&のタクシー市場に関するフェルミ推定問題です。

ケース問題

日本全国のタクシー市場の規模を求めなさい。

出題実績

PwCコンサルティングの戦略部隊であるStrategy&の問題です

解答例

モデル式の構築

タクシーの供給サイドである事業者の立場から計算するか、需要サイドである利用者の立場から計算するかを考えます。もちろんどちらでも考えられます。ケース面接のフェルミ推定においては、極力需要サイドから考えたほうが、成長戦略の検討につながりやすいというメリットが有ります。

しかしこの問題においては、供給サイドから考えたほうが考えやすいでしょう。市場全体の規模をマクロに推定する場合には、原則供給者サイドから規模を試算したほうが単純化しやすいためです。

タクシーの供給サイドである事業者の立場から計算した場合のモデル式の基本形は以下になります。

タクシーの台数×1台あたり1日の売上×365日・・・①

モデル式における各要素の検討、および結論

タクシーの台数

まず東京のタクシーの台数を推計し、人口比で東京以外の地域のタクシーの台数を拡大推計する方法を取ります。

但し、地方では自家用車・社用車の保有数が多く、タクシーがあまり使われないと想定し、東京以外のタクシーの使用頻度を東京の1/3として計算します。

東京のタクシーの台数=東京の駅数(約500)×1駅を起点にする平均タクシー台数・・・②

東京以外のタクシーの台数=東京のタクシーの台数×10倍(日本の人口)×1/3・・・③

と考えます。

本来東京の駅数も東京都の面積などから概算したほうが良いかもしれませんが、実際の面接ではそこまでやると時間がかかるため駅数を500と仮置きするのが安全でしょう。(実際には654駅の模様)

1駅を起点にするタクシーの台数ですが、東京都と言っても100台を超えるような駅と、2-3台の駅があります。一般論として地下鉄の駅にはロータリーがなく、ことが多いということもあるため、平均50台と仮置きして計算します。

これらを②式に代入し、
東京のタクシーの台数=500駅×50台/駅=25,000台と考えられます。

得られた東京のタクシーの台数を③の式に代入すると、
東京以外のタクシーの台数は50,000台となり、日本全国のタクシーの台数は75,000台と考えることができます。

1台あたり1日の売上

1台あたりの1日の売上は以下の式で算出します。

1台あたりの1日の売上=時間あたり回転数×稼働時間×平均単価

全て概算ですが、時間あたり回転数は2回(平均乗車時間が20分、顧客獲得までのロスを10分)、稼働時間は10時間、平均単価は2,000円とすると、

2回×10時間×2,000円=40,000円

結論

概算できた日本全国のタクシーの台数、1台あたりの1日の売上を①式に代入すると以下のように算出できます。

75,000台×40,000円×365日=約1兆円

時間があったらどこを精緻化するか

戦略コンサルティング会社のケース面接・フェルミ推定においてよくある質問です。このような質問に対しては、ブレ幅が一番大きそうな箇所はどこか?という観点で考える必要があります。ここでは、感応度の高いレバーを特定する能力が試されています。

①のモデル式の要素である、タクシーの台数と1台あたり1日の売上ではどちらがぶれ幅が大きそうでしょうか?

1台あたり1日の売上高は40,000円というのは、タクシーの運転手の人件費やガソリン代などから考えてある程度妥当性があるように感じます。総コストを1日あたり人件費15,000円+給油1回で5,000円+減価償却などの諸経費と考えると、40,000円の売上に対して、10,000円程度の利益が上がっていると思われ現実的です。売上がブレたとしてもせいぜい±25%(±10,000円)のブレと思います。

一方、日本全国のタクシーの台数を計算する上では、②③それぞれの式でかなり粗く見積もった箇所があります。2倍以上のブレが生じる可能性がありそうです。

まずは②で東京のタクシーの平均台数を計算する際に使った、1駅を起点にする平均タクシー台数です。50台と置きましたが、感覚的に20-100台ぐらいまでの幅があり得るかと思います。もし時間があれば、東京における約500の駅をターミナル駅、ターミナル駅以外の23区内の駅、23区外の駅などに分類し、精緻化することが考えられます。

次に③では東京のタクシー台数を人口比で拡大推計し、東京以外に住む人がタクシーに乗る頻度を東京の1/3と推計しました。この1/3という数字には根拠が全くありません。感覚的には1/2も1/10も有り得そうです。もし時間があれば、やはり東京以外の都市を規模別に大中小に分類し、それぞれの分類ごとにタクシーの使用頻度を精緻化することが考えられます。

特に東京以外のタクシーの台数は、東京のタクシーの台数(②の検討結果)を前提に試算しており、2倍ずつズレが生じると最大4倍のズレが生じるということになります。

なお実際のタクシーの台数は約23万台と上記の試算に対して約3倍のブレになっています。

ケース面接事例は以上になります。Strategy&はPwCへの統合後よくわからない戦略コンサルティングファームとなってしまった感があります。会社の特徴を以下でまとめていますので、戦略コンサルティング業界への転職に興味のある方は是非ご覧ください。
>>>Strategy&(旧Booz、現PwC戦略部隊)

Strategy&をこれから受ける方は、対策として次の問題もどうぞ
>>>Strategy& ケース面接3:バイクメーカーの対策

-ケース面接事例
-

Copyright© 戦略コンサルタントという選択 , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.