戦略コンサルタントが必ず読んでいる本

戦略コンサルタントに必須のスキルは、論理的思考力、分析スキル、スライド作成スキル、エクセルスキルです。これら4分野のスキルを早期に効率良く取得するために各ファームが推奨している書籍はかなり似通っています。分野ごとに戦略コンサルティング業界の「教科書」と言っても良い書籍が存在するからです。

新卒採用の戦略コンサルタントには、内定者に推奨書籍リストが提示されたり、書籍が事前に送られてきたりするファームもあるようですが、中途採用のコンサルタントには手厚いフォローはされないファームも多いです。難関をくぐり抜け、戦略コンサルティングファームから無事オファーを受けられたとしても、この4分野のスキルが低いと入社後に良いスタートを切ることは難しいです。色々な”お作法“を身につけることに、多くの労力を費やしてしまい、入社後に求められる高レベルでの論理的思考力や仮説思考力の強化、(ファームによっては)専門領域の知識・経験の蓄積に力を注げないからです。

戦略コンサルティングファームからのオファー獲得後に最低限目を通しておきたい本として、5冊(英語版を入れて6冊)を紹介したいと思います。推奨したい本は他にも色々ありますが、今回は"ほぼ全ての戦略コンサルタントが一度は読んだことがある本"に厳選しています。このような本を読む必要性に入社後に気づいて、プロジェクトの合間に読むというのは、はっきり言って時間の無駄です。

論理的思考力

考える技術、書く技術(バーバラミント)

元マッキンゼーで戦略コンサルタントの研修を担当していたバーバラミントの書籍です。英語の原作はThe Pyramid Principleという本で、ある程度英語が読める方はこちらがおすすめです(日本語版は若干わかりにくい)。帰納法・演繹法に始まり、MECEなど論理的思考における基本を体系的に整理した内容です。ページ数も多く、内容は盛りだくさんなのですが、特に日本語版はわかりにくい面も多いため、初学の方は次の「入門編」が良いと思います。

>>>Amazonでの購入はこちら "考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則"

 

入門 考える技術・書く技術(山崎康司)

The Pyramid Structureを「考える技術・書く技術」を翻訳した山崎康司氏が、本家を入門編として噛み砕いたバージョンです。バーバラミントの本家に比べて格段に読みやすく、初学者はむしろこちらに向いています。

>>>Amazonでの購入はこちら "入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法"

分析力

意思決定のための「分析の技術」(後正武)

>>>Amazonでの購入はこちら "意思決定のための「分析の技術」"

元ベインアンドカンパニーの戦略コンサルタントであった、後正武氏の書籍です。1998年初版と若干古い本ではありますが、分析の本質と基本的な手法を体系的に学ぶという目的において、この本の右に出る本はそうそうないのではないかと思います。大きさで考える、MECEに分解して考える、比較して考える、時系列の変化を見る、バラツキをみる、プロセスを考える、ツリーで考えるなど、コンサルタントの基本的な分析の型が網羅的に解説され、チャート(グラフ)にどう表現するのが適切かという点も明確に示されています。

論じられているテーマそのものは、分析の基本ですので、ある程度分析をしたことがある方にとっては、「一度は聞いたことがある」内容なのですが、2、3度読み返し理解を深めるにつれ気づきも増える、そんな本です。

本ブログのこちらのページでもより詳細の紹介をしております
>>>意思決定のための分析の技術

スライド作成スキル

外資系コンサルの資料作成術(森秀明)

>>>Amazonでの購入はこちら "外資系コンサルの資料作成術"

元ボストンコンサルティング、ブーズアレンハミルトンで戦略コンサルタントを務めた著者の書籍です。スライド(パワーポイント)の作成パターンを類型し、伝わりやすいスライドの作り方をまとめています。類型の他に、伝わりやすいスライドを作るためのプロセスにも言及しており、この内容は実際にほぼ全てのコンサルタントが実践している内容ですので、コンサルティングファーム入社前に目を通しておいて損はありません(というか、これぐらいの内容は頭に叩き込まれていないと、最初のプロジェクトで厳しい評価が付くことは必至で、ファームによっては最悪6ヶ月でアウトということにもなりかねません)

エクセルスキル

「外資系投資銀行のエクセル仕事術」(熊野整)

>>>Amazonでの購入はこちら "ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術"

投資銀行出身の著者による、見やすく、ミスのないエクセルを作るにはどうしたら良いかという問いに答える書籍です。戦略コンサルティング会社において、ロジックとリサーチをベースにした定性分析は全てのコンサルタントが意識的に研鑽しており、入社間もないコンサルタントであってもそれなりのレベルであることが多いです。しかし、エクセルや定量分析という話になると、できない人は全くできず、マネージャーが苦労するという話がよくあります。

できないなりにどんどん吸収していければ良いのですが、中には関数レベルでつまずいてしまう人もおり、マネージャーが「手に負えない」と判断し、そのようなコンサルタントをプロジェクトの途中でリリースしてしまうというケースがあります。「プロジェクト途中のリリース」は、戦略コンサルティング業界において、「できない奴」のレッテルを貼るようなものであり、実績を出す前にこのようなことになってしまうと、その後の挽回が非常に苦しくなってしまいます。

本書ではエクセルの作り方のお作法から、モデル作成の基本的な考え方までを扱っています。BDD(ビジネスデューデリジェンス)など、エクセルをガンガン使うプロジェクトにアサインされることも視野に入れ、入社前に最低限このレベルは確実に押さえておいて頂きたいと思います。

読まれている記事

-おすすめの本

© 2024 戦略コンサルタントという選択 Powered by AFFINGER5