ベイン・アンド・カンパニー ケース面接2:QBハウスの成長戦略

ベイン・アンド・カンパニーの面接における、QBハウスに関するフェルミ推定とケースの出題です。

ベイン・アンド・カンパニーの面接では各種データが準備された本格的なケースが出題されることもありますが、このようにフェルミ推定の延長のようなケース問題が出ることもあります。(面接担当者によります)

ケース問題

QBハウスは15分でヘアーカット1,000円というビジネスモデルで成功を収めてきた。近年業績が頭打ちとなっており、ベインのコンサルタントに相談があったという前提で考えてください。

・QBハウス1店舗の月あたり売上と利益はいくらか
・改善策としてどのような打ち手が考えられるか

出題実績

ベイン・アンド・カンパニーの面接での出題です。

回答例

QBハウスの1店舗の月あたり売上と利益

売上推計のモデル式

フェルミ推定と簡易ケースのセットであり、時間の制約もあるため簡単なモデル式で概算するのがおすすめです。

<モデル式の例>
施術台数(3台)×平均稼働率(70%)×時間あたり回転数(3回)×営業時間(12時間)×単価(1,000円)

面接官から「計算の精度を上げるにはどうしたら良いか?」という質問がある場合には、「時間帯別に変動する可能性のある稼働率を深掘りする余地がある」という解答をしつつ、客層の分解をしていくのが良いのではないかと思います。

利益の算出

利益=売上-費用(固定費&変動費)という基本モデルを押さえた上で回答しましょう。売上は既に求めているため、ここでは費用を算出していきます。

費用はモデル式中の記載通り、固定費と変動費に分解できます。

美容室ビジネスにおける固定費としては、店舗の賃料が挙げられます。

賃料は月10万円/月として、売上算出時の施術台数、平均稼働率、時間あたり回転数、営業時間から、1ヶ月2,000人が来店すると予測されるため、1顧客あたり50円のコスト、対売上比率は5%となります。

変動費としては、美容師の人件費、その他(薬剤、光熱費など)が挙げられます。

美容師の人件費には一部固定費用分もあるでしょうが、単純化のため全て変動費として考えています。

人件費は時給1,200円で1時間あたり2顧客(回転数×稼働率)を担当するとした場合、1顧客あたりのコストは600円、対売上比率は60%です。薬剤、光熱費などのその他コストは精緻な算出が難しいため、対売上比率を20%と仮置きします。

各費用の対売上比率は
賃料(5%)+人件費(60%)+その他費用(20%)=85%となり、
営業利益は15%と想定されます。

改善策としての打ち手

売上向上

売上のフェルミ推定で使ったモデル式を念頭にインパクトがありそうな打ち手とその実現可能性を挙げます

<モデル式>
施術台数×平均稼働率(70%)×時間あたり回転数(3回)×営業時間(12時間)×単価(1,000円)

・施術台数を増やし、ピーク時の対応可能数を向上させる(投資が必要なため△)
・稼働率の向上に向け、オフピーク時のキャパ埋め施策を導入
 - チラシ配布(即時導入が可能○)
 - 空き状況のウェブでの可視化による顧客分散(ウェブ構築が必要△)
 - オフピーク時の頭皮マッサージなど、顧客満足度の向上によるリピート率アップ(即時導入が可能)
・単価改善に向け、クロスセルとして、物販(シャンプー・ヘアケア製品)の実施(製品規格、メーカーとのアライアンスが必要△)

利益向上

利益の向上は既に挙げた売上向上施策によるもののほか、コスト削減の観点があるため、ここではコスト削減に資する施策を挙げます。

賃料、人件費、その他コストのうち、インパクトの大きなものは人件費ですので、人件費の削減に向けた打ち手例と、その実現可能性を示します。

・1美容師あたりの担当顧客数の増加=オフピーク時の美容師の絞り込み(時間帯別の実績分析により可能○)
・美容師の時給の見直し(既に1,200円と下限レベルと想定され困難△)
・賃料、その他費用のサプライヤーとの交渉(インパクトは小さそうだが、即効性はありそう○)

ケース事例の紹介は以上ですが、ベインについては以下のページでコンサルティングファームとしての特徴をまとめていますので、こちらも合わせて読んでいただければと思います。
>>>ベイン・アンド・カンパニーの特徴

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