ボストンコンサルティング ケース面接5:文房具メーカーの戦略

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ボストンコンサルティング(BCG)の文房具市場に関するケース問題です。

ケース問題

BCGのクライアントである文房具メーカーA社の課題と戦略を考えよ

面接官とコミュニケーションをしながら、以下のような具体的な設問に答えて行く形式です。

  • 国内の文房具市場はどのような市場か、資料から読み取れることを述べよ(市場・ユーザー、競合の観点)
  • A社にとって重要な課題は何か
  • A社の今後の戦略と打ち手としてどのようなものが考えられるか

出題実績

ボストンコンサルティング(BCG)のケース面接における出題です。

前提・提供資料

A社は30年前に日本文房具市場に参入した外資企業であるが、業績が低迷している。これまで日本市場独自の新製品の投入はなく、オーソドックスな製品ラインナップで事業を行っている。卸販売のチャネルは古くから取引のある1社のみである。

資料A.国内文房具の市場規模(3年前と現在)、文具種類別成長率
資料B.メーカー別シェア、成長率
資料C.競合各社の売上規模・収益性マップ(縦軸売上、横軸利益率)
資料D.A社および競合企業(パイロット社、三菱鉛筆)のチャネル

解答例

提供資料A

日本市場をセグメント別に見るとボールペン市場のみが伸びていて、その他は減少しており、市場全体としても微減であることがわかります。

↑上記は資料を見ればわかることで、以下は解釈です↓

市場が微減(頭打ち)となっている理由ですが、市場規模を販売数×単価に分解して考えてみましょう。

販売数は、平均保有数×1/使用年数に分解できます。

平均保有数ですが、近年はスマホをメモ代わりに使うなど電子デバイスの発展により書くという行為自体が減少の傾向にあり、一本だけ保有するような層が増えていると考えられます。また、トレンドとして小型ペンケースが圧倒的主流であり、大量の文房具を持ち歩くことが難しくなっていると考えられます。以上の要因により平均保有数は少なくとも頭打ちか減少の傾向にあるものと考えられます。

使用年数ですが、近年文房具の耐久性は上がっています。つまり文房具の買い替えの理由は紛失や心機一転などに限られます。紛失率は過去と比べて大きな変化は無いでしょうし、文房具はトレンドで買い替えるようなものではありませんので、耐久性の上昇により使用年数は長期化している可能性が高く市場減少の要因となっていると考えられます。

単価ですが、近年100円ショップなどディスカウントストアなどでは、安価な文房具が十分な品質を担保したうえ提供されています。一部、ハイエンド志向のユーザーが1本=1,000円以上の文房具を購入していますが、平均単価の大勢には影響なく、ディスカウントストアの販売により単価は下落傾向にあると考えられます。

提供資料B

数社の大手企業の寡占になっていることが読み取れます。

↑上記は資料を見ればわかることで、以下は解釈です↓

文房具市場がなぜ寡占市場になるかを考えてみましょう。

文房具は差別化が難しくコモディティ化している、全自動設備による大量生産ビジネスであり固定比率が高い、大半が大手文房具店やスーパー、コンビニなどは卸売経由での販売となっており、直販ルートの構築や大手卸売との交渉において大手企業が有利などの理由が考えられます。

提供資料C

三菱鉛筆のような売上規模大×高利益率の企業と、売上規模小×高利益率の企業があることが読み取れます。

↑上記は資料を見ればわかることで、以下は解釈です↓

売上規模大×高利益率の企業は、定番商品や汎用品を大量販売しスケールメリットによる高利益率を実現していると考えられます。売上規模小×高利益率の企業は、高価格帯の製品(万年筆、多機能ボールペン、フリクション)により、特定層に訴求することで高利益率を実現していると考えられます。

提供資料D

競合企業である三菱鉛筆や、パイロットはチャネル数が多いが、A社は自社の販社を持たず、卸売チャネルは1社のみ

A社にとっての重要な課題は何か

A社は欧州では高シェアを取っていることから、汎用品を手がてけおり、製品力や価格には競争力があると考えられます。マーケティングの4P(製品・価格・チャネル・広告)で考えた場合、チャネルや、販促・広告の見直し余地がある可能性があります。

チャネルですが、大手競合企業は複数の卸チャネルを持っており、自社販社も構えています。A社の卸売チャネルは1社のみとなっているため、各小売店から十分な棚を確保するだけの営業力が不足している可能性があります。また自社販社を持たないことから、国内市場のリアルタイムな情報が遮断されており、製品力はあっても、地域や小売チャネル別に最適化された製品をプッシュできていない懸念があります。

A社の認知度が低いという意味で販促・広告にも改善の余地があります。しかしながら、多くの人の購買行動は店舗で試し書きをして文房具を購入するというものであり、自分がどのメーカーのボールペンを使っているかを明確に認識していない顧客が多いと思われます。つまりよほど画期的な製品でない限りは広告宣伝が購買要因にはならないように思えます。

したがって、卸売チャネルや、小売店舗への販促費・リベート費の投入なども含め、チャネルを強化することが重要と考えられます。

今後の戦略と打ち手

国内文房具市場においては、売上規模大×高利益率、売上規模小×高利益率の勝ちパターンがあると考えられます。マーケットリーダー戦略とニッチ戦略と言い換えても良いと思います。

A社は自社販社を持っておらず、日本市場についての理解も浅いものと考えられますので、特定層の需要を捉えたニッチ戦略を展開するのは難しいと考えられます。むしろ同社の欧州での成功を活かした、汎用品のリーダー戦略の方が実現性が高く、製品開発がないぶん即効性もあると考えられます。

汎用品のリーダー戦略で勝つためには、卸売網の強化・再構築が必須です。小売店舗の棚を獲得するにあたって、各地域・顧客別に発言力の強い卸売店と契約する必要があるためです。卸売店網の強化にあたっては、リベートや販促費を積極投入することにより、有力卸売店を囲い込んでいく必要があります。

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>>>ボストン・コンサルティング・グループの特徴

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