アクセンチュア ケース面接1:電機メーカーのスマホ事業

ケース問題

携帯電話メーカーの戦略の立案をしてください
・以下の前提に基づき、A社の取りうる戦略オプションをできる限り網羅的に挙げてください
・戦略オプションから絞り込む際のポイントは何か?
・最も有望な戦略は?
・具体的なアクションプランを作成してください

30分の時間が与えられ、考えをまとめる時間や、面接官とのディスカッション含め時間をどう使うかも任される形式です。

アクセンチュアの戦略部門では、状況設定などもしっかりされたオーソドックスな戦略ケースがテンプレート問題として出題される傾向にあります。(アクセンチュアが戦略プロジェクトをやっているイメージはそんなにないのですが...)

前提

・国内での携帯普及率(台数/人口)は95%を越えている
・国内大手電機メーカーA社が、スマホに乗り出そうとしている
・すでにサムソン、アップルスマホは売れ始めており、数年以内にスマホが50%になる

出題実績

アクセンチュアの戦略部隊での出題です。

解答例

この問題は網羅的に回答を示そうとすると内容が膨大になりますので、これぐらいできていれば余裕で合格ですという水準で例を記載しようと思います。(アクセンチュアの場合、ここまで出来ていなくても余裕で合格ですが)

A社の戦略オプション

まずは、「国内大手電機メーカーであるA社がスマホに乗り出す」という箇所を見て、スマホ=端末に決めつけないというのがポイントになります。部品製造→端末製造→サービス→通信という、スマホ事業の大きなバリューチェーンの中で取りうるオプションを挙げられると良いと思います。

スマホに乗り出す=端末製造というのは、一番イメージがつきやすいのですが、回答としては短絡的と取られる可能性があります。サービスとしてはアプリ提供、保守メンテ、業務用リースなどが考えられます。通信としてはMVNOによる格安スマホの提供なども可能性があると考えられます。部品製造というのは少しイメージしにくいところですが、IC、外観部材に特化などの選択肢があり、この辺りは日本企業が伝統的に得意としてきた分野です。

またクライアントは「スマホに乗り出す」と言っているものの、そもそもスマホなのか?という観点も良い視点だと思います。例えば一昔前、京セラはスマホへの対抗として、高齢者向けガラケーに注力しました。あえてガラケーを狙って、残存者利益を狙うというのも立派な戦略です。

絞り込む際のポイント→最も有望そうな戦略

絞り込む際のポイントと、最も有望そうな戦略はセットでまとめたいと思います。

戦略コンサルティングの世界では、絞り込む際の軸という言葉がよく使われますが、どの基準で数ある戦略オプションを評価するかという質問です。

企業の戦略は成果に結びつかなければなりません。したがって、成果に結び付く戦略オプションを選ぶ必要があります。一般的なフレームワークとして、成果=インパクト×実現性ですので、インパクトと実現性を評価しながら戦略オプションを絞り込んでいくというのが模範回答だと思います。

電機メーカーとして、インパクトが小さそうなもの、実現性が低そうなものは避けるというのが重要です。アプリ、業務用リースなどのサービスは電機メーカーの規模からすると、売上規模が小そうですし、アップルやサムソンなどの先行者がいる中で端末製造に参入するのは、実現性の面から難しそうに思えます。初期的に、インパクト・実現性の両面から◎を付した、通信事業への参入を最も有望な戦略としました。

具体的なアクションプラン

MVNOへの参入に当たっての各種対応(届出等)に加え、ターゲットセグメントの特定、4Pに基づくマーケティング施策の設計などを行う必要があります。ここではターゲットセグメントの特定と、マーケティング施策の深掘りをします。

ターゲットセグメントですが、スマホ非保有層の20-30代がターゲットになりやすそうです。スマホ所有者はガラケーからスマホに変えてまだ間もない時期と考えられ、なかなかターゲットになりにくいと考えられます。また年齢区分として、友人からの目を気にする学生や、「通信業者といえばNTT」というような固定観念ができている中高齢層はなかなかMVNOの導入は難しそうです。

スマホ非保有層の20-30代への具体的訴求策として、マーケティングの4Pを使いながら考えていきたいと思います。

製品:通信速度の向上
価格:競合他社を評価の上設定
チャネル:大手通信会社との提携、家電小売との提携
プロモーション:マス広告、店頭での販促キャンペーン、ネット広告の活用

他にもできることは色々とあると思いますが、これぐらいの回答ができれば内容としては余裕で面接突破ぐらいのレベルだと思います。

アクセンチュアは戦略コンサルティング本部も持っていますが、大きな組織のためアクセンチュアの戦略コンサルティング本部がどういう舞台かということがわかりにくい傾向にあります。アクセンチュアの戦略部門については以下でまとめています。
>>>アクセンチュア・ストラテジー

アクセンチュアからのオファー獲得に向け面接対策を更に進めようという方は、以下もご参照頂ければと思います。
>>>アクセンチュア ケース面接2:旅館の再生

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