マッキンゼー ケース面接2:オフィス家具メーカーの成長戦略

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マッキンゼーのケース面接の問題と解答例を紹介します。
マッキンゼーの面接はグローバルで統一のケース面接問題から選ばれた問題が使われますが、問題の種類がかなり多いため、回答例を覚えるというよりは考え方を身につけることが重要になります。(データもかなり多いため、面接官によって質問する内容も変わってきます)

<ケース問題>

マッキンゼーのクライアントであるオフィス家具メーカーA社の成長戦略を考えよ。

競合企業であるX社が年率10%で成長しているが、A社の売上成長率は年率1%にとどまっている。利益面でも、営業利益率が20%であるX社に対してA社は10%と低い。そのような状況下、A社の社長は今後の成長戦略の策定をマッキンゼーに依頼した。

①A社が課題と認識している売上成長率と営業利益率について、より本質的な問題なのはどちらか
②売上拡大、営業利益率拡大に向けてどのような施策をとったら良いか

<出題実績>

マッキンゼーのケース面接における問題です。

<前提・事前提供資料>

マッキンゼーの面接においては大量の英文資料がケース問題を考える上での参考資料として提供されます。不明点があれば面接官に追加情報をもらうことや、前提を置いて考えることも可能です。配布される参考資料としては以下のようなものがあります。

市場環境

・市場規模の成長率のグラフ:年率1%の成長率
・顧客の嗜好トレンド:オフィス環境を問わないシンプルなデザインのオフィス家具が売れている

自社の状況

・顧客構成:大企業向けが80%の売上を占める。残り20%は中小企業向けであるが、中小企業向け代理店のチャネルを持っておらず、全体の売上に占める割合は低い。
・製品の特徴:同社製品はブランドとしても有名で、高級品と考えられている

競合環境

・市場シェアのグラフ:マッキンゼーのクライアントであるA社の市場シェアは20%。X社を含む競合3社の市場シェアは各10%。残り50%はその他多数の競合企業。
・競合企業の価格情報:A社の主要な競合3社の価格は10%低い

コスト構造

・本ビジネスにおいては固定費は少なく、原材料費、労務費、間接業務費が主なコスト
・対売上の原材料費比率、間接業務費比率はA社、X社ともに大きく変わらないが、A社の直接労務費比率はX社と比べて約10%高く、営業利益率の差として現れている
・直接労務費が高い理由としては、高級品を展開することから良い人材を採用するため給料を上げている。生産性に基づき給料を決定しているため、スタッフによって給与にばらつきがある

英語の資料が大量に準備され、候補者の数値の読解力を試すというのがマッキンゼーの面接の大きな特徴です。マッキンゼーの面接を突破するには、口頭コミュニケーションに加え、速読という意味でも確かな英語力が必要となります。

<解答例>

①A社が課題と認識している売上成長率と営業利益率について、より本質的な問題なのはどちらか

製品ライフサイクルの観点、市場シェアの観点から、本ビジネスにおいては、A社の営業利益率の低下がより深刻な問題と考えられます。

オフィス家具市場は年率1%成長となっており、成熟期を迎えています。今後は大手プレイヤー同士の価格競争による消耗戦に入っていくことが想定される中、単純な規模拡大は成長の源泉とならない可能性が高いです。

また、A社は市場シェアも既に業界1位となっています。A社の売上のうち80%が大手企業向けであり、大手企業向けのA社のシェアも業界1位と考えられます。このような状況においては、競合他社がニッチ戦略や価格構成でシェアを脅かしてくる可能性が高いことから、競合に対抗できるコスト構造を作っていく必要があります。

もちろん、これまで手がけられていなかった中小企業向けの販売強化による成長も必要だと思いますが、中小企業は大手企業と比べてよりコストに敏感だと考えられることからも、利益率の改善による価格競争力の向上がより優先順位が高い課題と考えられます。

②売上拡大、営業利益率拡大に向けてどのような施策をとったら良いか

②-1 売上拡大

売上の拡大に向けて、以下のようなモデルで考えたいと思います。
(単純化するため、耐用年数の観点は省きます。)

 売上=顧客数×1顧客あたり販売数×単価

顧客数ですが、大手顧客と中小顧客が存在しますが、既に大きなシェアを取っている大手顧客の開拓は容易ではないことが想定されます。中小顧客のダイレクト販売は手間がかかることから、代理店との契約やECサイト経由の販売が施策として考えられます。

1顧客あたり購入数ですが、複数の事業所を展開している大手企業への各事業所への水平展開の徹底や、机・椅子・棚などのセット販売による1顧客あたりの販売数の増加が考えられます。

単価の改善として、高級志向の顧客層向けへの製品値上げが考えられます。

顧客数、1顧客あたり販売数、単価のそれぞれの施策について優先順位をつける場合、優先順位の高い順に

 1顧客あたりの販売数の増加
 代理店との契約ECサイト経由の販売による中小企業向け販売強化
 高級顧客層への値上げ

となると考えられます。既に競合他社と比べて高価格帯である中、さらなる値上げは難しく、代理店の契約やECサイト経由の販売はM&Aにより既存のインフラを手に入れることが成功の可能性が高い中、M&Aには時間がかかるためです。

②-2営業利益率の拡大

次にスケールメリットが適切に働いているかを検証の上、購買プロセス・製造プロセスを見直していく必要があると考えられます。X社と比べて2倍のシェアがあるにも関わらず、A社とX社は原材料費比率が同じであることから、サプライヤーとの交渉や、製造プロセスに改善の余地がある可能性があります。

まずは他社比較における営業利益率の低さに直接的に影響している、直接労務費比率の高さに取り組む必要があります。スキル面では、社員により生産性にばらつきがあるため、ハイパフォーマーを特定し行動分析を行った上、ベストプラクティスを標準化することが必要だと考えられます。ウィルの向上として、成果報酬によりウエイトをかけたり、当該国の労働法上問題がなければ、ローパフォーマーの契約打ち切りなども検討する必要があるかもしれません。

マッキンゼーについては、会社の特徴、年収などを以下の記事でまとめていますので、マッキンゼーを志望されている方はご参考にしてください。

>>>McKinsey & Company

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