ポストコンサルの転職は華々しいか?
「戦略コンサルタントを経験すると、将来魅力的なキャリアを築けるのでしょうか?」最近、筆者が多くの方から聞かれる質問です。
「人によって違いますが...」、「魅力的なキャリアとはそもそも...」など、いかにもコンサルタントらしい回答もできるのですが、誤解を恐れずに言うと、「魅力的なキャリアパスに乗れている人はかなり少ない」というのが筆者の印象です。
戦略コンサルの転職先
トップファーム出身者であっても、近頃の大抵の転職先は楽天、DeNA、ユニクロ、エムスリーのような所謂メガベンチャー、大量採用を続けているAmazonをはじめとする外資企業、ベンチャー企業のCxO候補もしくはマネージャークラスに収斂されてきています。
最近はプライベート・エクイティ・ファンドや、ベンチャーキャピタルなどへの転職に成功する例も増えていますが、募集タイトルや年齢の問題などから、新卒で戦略コンサルタントになった人に限定されるケースが多いです。また今後景気が後退局面に入れば、ファンド系の需要は激減します。
シリーズCの資金調達を完了している有力ベンチャー企業は、既にコンサル出身者がCxOポジションを埋めていることも多く、マネージャークラスや担当として入社というような例も増えてきています。(個人的な意見としては、シリーズCよりも前のベンチャーのCxOクラスでは、戦略コンサルのスキルを活かしにくいと考えています)
最近トップファームパートナーの知り合いが大手企業の担当部長クラスで転職しましたが、戦略コンサルの転職先も夢がなくなってきたなぁというのが率直な感想です。(筆者にとっても頭が痛い話ではありますが...)
ポストコンサルの今後の展望
コンサルタント人口も拡大を続けており、今後ポストコンサルに夢がなくなっていく傾向は更に顕著になっていくと考えられます。BCGは600人を超えてきていますし、McKinseyは大阪支社開設、オペレーション・デジタル部門の強化で500人体制です。ベイン、ATカーニー、Strategy&、ローランドベルガー、アーサー・D・リトルも各社100名ずつ在籍しております。アクセンチュア、デロイトの戦略部門も含めると、戦略コンサルタントは大手ファーム在籍者だけでも3000人規模でしょう。年間2割は人が入れ変わりますから大手の戦略コンサルタントだけでも、毎年600人増加しているのです。
起業、独立など少し飛んだ選択をできる方や、長期間戦略コンサルティング会社で生き残れる方以外にとっては、戦略コンサルタントとしてのキャリア価値は相対的に下がり続けていく時代に入っています。
これから戦略コンサルタントを目指される方は、「そうだとしてもやりたい理由は何か?」ということを考えておく必要があるのではないかと思います。