今回は欧州系ファームであるローランドベルガーの戦略コンサルティングファームとしての特徴をまとめます。戦略コンサルティング業界における有名ファームの多くは米国系ですが、ローランドベルガーはドイツの一流戦略コンサルティング会社として知られています。独立系ながら、幅広い業界に戦略プロジェクトを展開しており、M&Aにおけるデューデリジェンスなどを手堅く受注しています。
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ローランドベルガーの入社難易度
→比較的容易★
・原則Up or Out(アップオアアウト)ではないものの、給料の低さと激務さからBCGなどに移るジュニアメンバーが多く、一定の人材の流動性があることから年間10人〜の採用は行っている。
・面接プロセスにこれと言った特徴もなく、ケース面接も易しめな問題が出ることもあり、無難にこなせればオファーを獲得できる可能性は高い。(アクセンチュアやデロイトよりは難しい)
・体育会系の気質があるため、面接プロセスにおいてファームとのフィット感はよく確認している模様
ローランド・ベルガーの雰囲気、プロジェクトの内容
→長時間労働を美化する泥臭い戦略コンサルティング会社
・過去、ローランドベルガーは最も激務な戦略コンサルティング会社として知られていました。5-6年前に、若手が大量に退職した時期があり、プロジェクトの運営がままならない時期があったことの反省等から、近年は労働時間を減らす取り組みが進められており、改善傾向にあります
・しかし内部の方に聞くと、パートナーをはじめとするシニアメンバーのみならず、ジュニアなメンバーにおいても「戦略コンサル=長時間労働・徹夜=素晴らしい」という偏った認識をしているコンサルタントがおり、価値観の変革はなかなか難しいという声もあります(他ファームへの人材流出超過であり、特にシニアメンバーの採用がほとんどないことが理由か?)
・ローランドベルガーのコンサルタントはよくボストンコンサルティングなど他ファームに転職しますが、ローランドベルガー出身=ハードワーカーという図式が成り立っているようです
・Up or Outの文化ではないため、一定程度の素養があり長時間労働に耐えられれば、比較的長い時間をかけて昇進するというキャリアパスも認められています
・他社からパートナーを引っ張ってくるブランド力がないこともり、パートナーのレベル(というよりモラル?)も長年の課題となっているようです。無理なスコープでプロジェクトを受注し、炎上するというパターンがローランドベルガーの代名詞のようになっている面も否定できません
・製造業、自動車、PEファンド向けのサービスなどは伝統的に強く、単価も比較的安価なことから固定クライアントからのリピートを確実に拾っています
ローランドベルガーの給料・制度
→上位ファームと比べると2割減
・新卒のジュニアコンサルタントは550万円からスタートとなり、2年ほどでコンサルタントに昇格すると750万円程度、シニアコンサルタントに昇格すると1200万円程度に年俸が上昇します。マネージャーは1,600万円程度と一気に上がりますが、総じて上位戦略コンサルファームと比べると20%程度給料が少ない傾向にあります。
・MBA卒や前職で給料が高かったケースなどは、年俸を一部調整しており、特にマネージャー手前のシニアコンサルタントの給料は人によってバラツキが大きい模様
ローランドベルガーの出身者
・有吉洋平(sensation代表取締役)
・足立光(元日本マクドマルド・マーケティング本部長)
・稲積憲(トランスコスモス上席常務執行役員、元NHN PlayArt代表取締役社長)
・岸田雅裕(A.T.カーニー日本代表)
・富永朋(NKメディコ代表取締役)
・西浦裕二(プロ経営者:アリックスパートナーズ日本代表、アクサ生命保険、三井住友トラストクラブの会長職などを歴任)
・水留浩一(あきんどスシロー代表取締役、元日本航空副社長、元ワールド専務)
※他にも多数いますが別途追記予定
ローランドベルガーの現役・過去パートナーについては以下のページでもまとめています。
>>>ローランドベルガー パートナーの経歴