世の中に投資・M&Aをテーマに扱った本はたくさんあります。しかし総合商社やプライベートエクイティファンドといった投資のプロを目指す方にとって本当に役立つ本というのは限られています。
この記事では、総合商社をはじめとする事業会社の投資・M&A担当者や、プライベートエクイティファンドへの転職を目指す方にとって役に立つ書籍を紹介します。
またビジネスデューデリジェンスやPMIに関連する書籍は、戦略コンサルタントにとっても一読の価値があります。
Contents
プライベートエクイティ6つの教訓~経営のための知恵袋
TOP3の戦略コンサルティングファームである、ベイン・アンド・カンパニーのオリット・ガディッシュ会長、同パートナーのヒュー・マッカサーの共著を、同じくベイン・アンド・カンパニーで日本法人の名誉顧問、ベインキャピタルで会長を務める堀新太郎氏が邦訳した書籍です。
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プライベートエクイティファンドの投資戦略とノウハウを6つに大別した上で、成長戦略の描き方、実行手法について具体例を交えながら解説しています。
書いてあることそのものに目新しさはないものの、プライベートエクイティファンドによる投資先バリューアップのプロセス全体について、手触り感ある形で理解することができるため、PEファンド業界の業界理解として大変有効です。
ビジネスデューデリジェンスの実務
本書はビジネスデューデリジェンスのポイントを体系的にまとめた稀有な書籍です。ビジネスデューデリジェンスにアサインされる可能性のある戦略コンサルティングファームの若手や、事業会社のM&A担当者は一通り目を通した上で、ビジネスデューデリジェンスにおける検討ポイントを押さえておくことが重要です。(事業会社でもこれぐらいわかっていないと、戦略コンサルティングファームのアウトプットの善し悪しを判断できません)
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一部を除いては、プライベートエクイティファンドにおいても、ビジネスデューデリジェンスを自前で行うことも多いことから、特にバックグラウンドが金融に寄っている方などはPEファンドへの参画を前に、事業分析の教科書として体系的に押さえておくと良いと思います。
金融マンのための実践ファイナンス講座
本書では、M&Aにおけるファイナンスの要諦がまとめられています。戦略コンサルタントや事業会社のM&A担当者などは、ファイナンスストラクチャーについての理解が不足しているケースが多いため、将来的にプライベートエクイティファンドへの転職を視野に入れている場合や、社内のコーポレート部門に一目置かれる投資担当者となるためには、基本理解として押さえておく必要があります。
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このあたりが押さえられていないと、PEファンドの先輩方やコーポレート部門が何を言っているか全く理解できないという事態に陥ってしまう可能性があります。
M&Aの契約実務(第2版)
本書はややこしくなりがちなM&Aにおける契約、法務における実務的な論点を体系的に整理した書籍です。本書で記載されている内容の多くはPEファンドに務める方や、事業会社のM&A担当者であれば必須の知識と言えると思います。
FAS系のコンサルティング会社でも、必読本の1つに挙げられているようです。
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日本買い外資系M&Aの真実
英国のプライベートエクイティファンドの日本法人代表を務めた加藤有治氏による著書で、M&Aにおける投資先選定や、投資後のバリューアップに向けた各種施策を体系的に論じられています。
題名に合わず、内容が本格的であるにも関わらず、文章は非常に平易に書かれており、M&Aに関係するすべての方が読むべき1冊かと思います。
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事業再生とバイアウト
Amazonでの購入はこちら>>>事業再生とバイアウト (日本企業のバイアウト)
プライベートエクイティファンドによる投資においては、不振起業の立て直しという要素が含まれることが多いです。本来ポテンシャルは大きいものの、何らかの理由で成長を阻害されているところに企業価値向上の余地があり、プライベートエクイティファンドはそのような企業価値向上の余地がある会社に投資をするためです。
本書では、プライベートエクイティファンド在籍者による特定事例案件における投資仮説とその顛末の解説や、再生を手掛けるコンサルティング会社による投資後のバリューアップアプローチがまとめられており、読み物として一読の価値があります。
本書はシリーズ化されており、以下もおすすめです。
続・事業再生とバイアウト (【日本企業のバイアウト】)
続・事業承継とバイアウト―小売・サービス業編― (日本企業のバイアウト)
続・事業承継とバイアウト―製造業編― (日本企業のバイアウト)
事業再編とバイアウト (日本企業のバイアウト)
プロフェッショナル経営者とバイアウト (日本企業のバイアウト)
なお、戦略コンサルティングファームでの必読書としては以下の記事も合わせてお読み頂ければと思います。