戦略コンサルティング会社を目指して就職活動、転職活動をする上では、ケース面接対策が非常に重要となりますが、入社後のミスマッチを減らすため所謂業界研究もやっておいたほうが良いですね。
今回は特にマッキンゼー(Mckinsey&Company)への内定を目指すために読んでおいた方が良い本をいくつか紹介します。これらは、マッキンゼーの会社研究、業界研究のために有用な本であり、思考法やその他のコンサルスキルとはあまり関係がない本ですので、その点はご留意頂ければと思います。
Contents
マッキンゼー出身お笑い芸人 石井てる美著 「キャリアを手放す勇気」
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白百合学園、東京大学を卒業し、マッキンゼーに新卒で入社し、現在はお笑い芸人として活躍する石井てる美さんの書籍です。特に新卒でマッキンゼーからの内定をもらうことを目指す方にはお薦めの本です。"マッキンゼーの内定者がどういう意識を持っている大学生なのか"ということがよくわかります。
本書を読むと、石井てる美さんは「あまり優秀な戦略コンサルサルタントではなかった」ことがうかがいしれます。しかし、それもまた本書の良いところで、一般的には「超優秀」だと言われている人にとっても、戦略コンサルティング会社というステージは想像を絶する競争と研鑽が求められる場であることが綴られています。
本書における以下の記載は、マッキンゼーのみならず戦略コンサルティング会社全般に言えることで、非常に参考になります。
マッキンゼーは、そもそも一生勤め上げるタイプの会社ではなく、新卒で入った半分以上の人が3年前後で会社を離れます。言うなれば道場のような場所です。在籍期間にこそ差はあれど、自分がその先にやりたいことが見つかり、そのための訓練が終わったと思えば、多くの人が積極的に新たな道に進んでいきます。(中略)ところが、「3年居続ける」だけでもとても難しいのが、マッキンゼー。「よく会社を辞める勇気があったね」と言われることがあります。おそらく「レールを外れるのは難しい」という前提での発言なのでしょうが、私にとってマッキンゼーはそこにい続けるほうがよほど大変な場所でした。
「キャリアを手放す勇気」石井てる美著
マッキンゼー元マネージャー 田中裕輔著 「なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか」
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マッキンゼーという会社をこれから知ろうとする人にお薦めです。この本の著者である田中裕輔さんは一橋大学を卒業後、新卒でマッキンゼーに入社後、マッキンゼー日本支社史上最速でマネージャーに昇格した上、UCバークレーでMBAを取得し、マッキンゼーを退社後にロコンドという会社を立ち上げ、マザーズに上場させるという、エリートっぽいことは全て経験しています。
この本は戦略コンサルタントの仕事、スキル、心構えを綴った本としては物足りないのですが、"マッキンゼー日本支社がどういう文化でそこで生き残るためには何が必要か"ということを、大学生でもわかりやすく書いています。
この本が貴重だと思うのは、以下の3点です。
- 著者は東大卒ではないがマッキンゼーに新卒で入社している
- マッキンゼー日本支社で史上最速でマネージャーに昇格するなど田中裕輔さんは「優秀なアソシエイト」の代表的存在
- 優秀なアソシエイト=優秀なマネージャーとは限らない事例
(マネジャー昇格後に事実上アウトになっている)
なお、マッキンゼーのマネージャー(EM)の年収は2,000万円程度であり、マッキンゼーで1億円をもらえているのはパートナーの数人だけであることを最後に書き添えておきます。
マッキンゼー元採用マネージャー 伊賀泰代著「採用基準」
もはや有名になりすぎた感もあり、マッキンゼー志望者は皆読んでいるのではないでしょうか。17年間マッキンゼーに在籍し、採用マネージャーを務めた伊賀泰代さんが、マッキンゼーが求めるのは狭義の論理的思考力だけではないことを綴っています。
マッキンゼーでは誰もがリーダーでありセルフスターターであることが求められます。また、思考力は思考スキル(論理的思考力)、思考意欲、思考体力の和であり、論理的思考力のみが長けていても不十分だという、一般的にはあまり気づかれていない点をズバリと指摘されています。
マッキンゼーに長くいた方が書いている書籍のため、愛社心からかマッキンゼーのネガティブな側面は殆ど書いていないところが、他の2冊と異なる点です。