引き続き、BCG(ボストンコンサルティング)のケース面接事例の紹介です。あまり出題実績はないと思いますが、BCGの面接では「このようなイシューを考える際に、どんな情報を集める必要がありますか?」という質問がくることがあります。BCG以外でも問われる可能性のある質問ですので、考え方を参考にして頂ければと思います。
ケース問題
国内シェアトップのチョコレートメーカーが海外進出を検討している。海外進出に向けた10年後の戦略を立案したい。
①検討に当たってどのような情報が必要か
②米国企業とローカルメーカーが市場を2分している国における参入戦略のオプションは?
出題実績
BCG(ボストンコンサルティンググループ)のケース面接での出題です
解答例
①戦略立案に向けて必要な情報
私の個人的な意見ですが、戦略コンサルティング会社のケース面接においては、たとえありきたりであってもフレームワークをどんどん使いながら話を進めるべきです。ケース面接の面接官をしていると、ごく稀に巷のフレームワークを使わず、自分でフレームを生み出しながら論理展開をできる候補者に出会います。このような方は勿論最高評価で面接突破なのですが、戦略コンサルティング会社からオファーを得るという意味では、最高評価で面接を突破する必要性はありません。
最近は所謂「ケース面接慣れ」している方も増えています。しかし、大半の候補者は話を論理的に展開することができず、結果としてケース面接で落ちています(私は9割近く落としています)。フレームワークがありきたりで、面接官が「はいはい、4Pね。3Cね。AIDMAね。」と辟易したとしても、フレームワークを無難に使いながら論理的に穴のない話を展開すれば、ケース面接としては合格なのです。
上記の前提で、”戦略立案に向けて必要な情報”について考えたいと思います。私は戦略コンサルティングファーム2社を経験していますが、知見の少ない業界について初期的な分析を行う際は大体共通の進め方があります。それは、3C(自社・競合・顧客(市場))に沿って分析をするというものです。少しかっこいい言い方をすると、「外部環境として市場と競合を分析し、内部環境として自社を分析する」ということになります。若干踏み込むと、「市場としては、市場規模と成長性を分析し、競合としては代表的プレイヤーの分散度と特徴を、自社としては所謂4P(製品、価格、チャネル、プロモーション)を分析する」というのが一般的だと思います。
上記の考え方は実務的にどのコンサルタントも習慣として身についていますので、ケース面接でここまで整理して答えると好印象ですね。さらに加点を狙うとすれば、3Cの全てを包含するものとして、業界の勝ちパターン(KSF)あたりに言及できるとなお良いでしょう。
②米国企業とローカルメーカーが市場を2分している国における参入戦略のオプション
これは、マスかニッチか?リーダーかフォロワーか?という議論です。セオリーとしてはある程度固まっている市場に進出するときはニッチ戦略です。マス戦略は取り得ません。この問題は"10年後"と言っているので、徐々にニッチ戦略からマス戦略に移行するという可能性はありますが、簡単ではありません。
ニッチ戦略を考えるということは、セグメントをどのように分け、どのセグメントを集中的に攻めるかを決めるということです。問題では、既にローカル企業と米国企業が市場を2分しているということなので、チョコレート市場を価格帯×市場属性(業務用or消費者向け)で4区分し、高価格帯の消費者向けを攻めるというのがオーソドックスな考え方として提示できそうです。
おそらくローカル企業は低価格の製品を業務用、消費者向けに販売していると考えられます。従い、米国企業が取り込めていない、ハイエンドの需要を満たすような製品で訴求していくという戦略になるのではないかと考えられます。
BCG(ボストンコンサルティング)の戦略コンサルティング会社としての特徴については、下記のページでもまとめていますのでご一読ください
>>>BCG(ボストンコンサルティンググループ)の特徴
ボストン・コンサルティング・グループのケース面接対策を更に進めたい方は、こちらもトライしてみて頂ければと思います。
>>>ボストンコンサルティング ケース面接5:文房具メーカーの戦略