今回は、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)の日本代表として活躍し、仮設思考という書籍で著名な内田和成氏の「論点思考」という書籍の紹介です。この本はAmazon等のレビューで「必要以上に難しく書いている」というコメントもありますが、戦略コンサルティング業界の人にとっては、暗黙の了解というか考え方の基本をうまくまとめている本だと思います。「問題解決プロセスにおいて論点設定、イシュー設定がいかに大事か」ということを、本格的に記した書籍です。
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論点思考の兄弟作はこちら→仮説思考、右脳思考
ちなみに、私は戦略コンサルティングファームに入社した際、コンサルタントの大先輩であるパートナーから「最優先で読むべき本だ」と言われて読んだ本がこの本でした。当時は刊行後間もなく、読んでいたのは内田和成信者ぐらいだったかもしれませんが、最近では戦略コンサルティングファームの虎の巻に近い書籍ではないかと思います。
「論点思考」の概要
本書は「問題解決プロセスにおいて、いかに論点設定が大事であるか」というアジェンダに対して、本気で向き合っている書籍です。
どんなに優秀な人であっても、論点(=答えを出すべき本質的な課題)が誤っていると、導き出した答えに何の意味もなく、社内外を説得できないというビジネス上のコミュニケーションの本質を「ど真ん中」でとらえている書籍と言えると思います。
真に解くべき課題を判断する基準として、内田和成氏は「何が問題なのか」、「それは解けるのか」、「解けるとどんないいことがあるのか」を考える重要性に言及しており、いきなり上司(他者)へのヒアリング、つまり情報収集を始めるのは初心者の典型的なアプローチだと述べています。
ベテランのアプローチは、上司やクライアントから最初に与えられた論点について「その論点を解いて果たしてクライアント(or自社)の成長にはつながるのだろうか」という疑問に対して真っ向から向き合うことであると述べられています。
この頭の使い方とマインドセットは、戦略コンサルタントにとっての核であり、非常に参考になります。
内田和成氏のこれまでの経歴
東京都出身の69歳。東京大学工学部を卒業後、1984年に慶應義塾大学大学院経営管理研究科を終了し、MBA取得。1985年よりボストン・コンサルティング・グループに参画し、2000年6月~2004年12月にかけて、ボストン・コンサルティング・グループの日本代表を務めました。
著書として、「仮設思考」、「論点思考」、「右脳思考」は内田和成氏の3部作として非常に有名です。